第180章

島宮奈々未はひどく苛立っていた。間違いなくマタニティブルーに陥っているのだと、自分でも自覚している。

ふう、と密かに息を吐き出し、奈々未は自身の感情をコントロールしようと努めた。

丹羽光世が自分を裏切るような真似をするはずがないことくらい、頭では分かっている。それでも、天瀬姫代が南山別荘にいると考えるだけで、どうしても胸の奥がざわついてしまうのだ。

奈々未は眉をひそめた。普段の彼女は、やきもちを焼くような性格ではない。まだ平らな下腹部をそっと撫でながら、これはきっとお腹の赤ちゃんが嫉妬しているだけで、自分とは無関係なのだと思い込むことにした。

そう、絶対にそうなのだ。

そう考えると...

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